頭痛は大きく分けて2タイプ
頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛があります。
一次性頭痛(機能性頭痛)
原因となる病気が解明されていませんが、病院にかからずに放置していても、より重篤な病気になる恐れのない頭痛です。多くの場合は、よくなっても、また悪くなることを繰り返します。
頭痛の発作を繰り返し、一旦痛くなると 4~72 時間続きます。左右どちらかの頭が痛くなることが多く、ガンガンと脈打つように痛くなります。歩いたり階段を上ったり、といった日常的な動作でひどくなります。吐きそうになり、ひどい時は吐くこともあります。また、大きな音やまぶしい光でも痛みが強くなります。「布団をかぶって寝ていたい」と、仕事や学校を休んでしまうこともあります。
治療:トリプタン系と呼ばれる鎮痛薬や、予防薬もあります。
最もありふれたタイプの頭痛で、一般の人々のうち8割が経験するという統計もあります。痛みの持続は様々で、数分のことから1週間以上続くこともあります。頭の両側が痛くなることが多く、締め付けられるような痛みです。大きな音が頭に響いたり、痛みのために食欲がなくなったりすることはありますが、吐くことはありません。休みたいけど、休んでいられないので、無理して働きます。ストレスで悪化することから、心因性と言われてきましたが、正しい診断と長期的な立場からの治療が大切です。
治療:通常の鎮痛剤が有効ですが、しばしば服用回数が増えて、薬剤乱用頭痛に移行しがちです。ストレッチ体操や気分転換など、薬剤に頼らないでコントロールする習慣をつけましょう。
比較的まれな頭痛です。左右どちらかの目の周りの激しい痛みの発作が、15~180分間だけ続きます。痛い方の目の周りの腫れや充血や鼻水、発汗などを伴います。片頭痛と違って、痛さのあまりじっとしていられず、大声をあげたり、転げ回ったりします。発作は毎日のように起こります(群発)が、数週間から、数ヶ月で自然に治ります。そのあと、何もない時期が続いて、忘れた頃にまた、群発します。
治療:発作時は酸素吸入が有効ですが、しばしば病院に来る前に治ってしまいます。アルコールなど、誘因となるものを避けるようにしましょう。
二次性頭痛(症候性頭痛)
放っておいてはいけない頭痛です。新しい頭痛が起こり、何か病気が見つかって、その病気が頭痛の原因であると判断された時に診断されます。したがって、「こういうタイプの頭痛」といった特徴はありません。でも、これまでに経験したことのない頭痛であれば、二次性頭痛の疑いがあり、専門医による診察や検査が必要です。
治療:頭痛の原因となった病気の治療を行います。
緊張型頭痛のような一次性頭痛では、鎮痛薬を使用することになりますが、毎日毎日薬を飲み続けていると、飲んでいても痛くて、飲まないともっと痛いという困った状況になります。
頭痛薬を3ヶ月以上継続的に服用していて、1ヶ月のうち15日以上で頭痛を経験するようになったら、薬物乱用頭痛の可能性があります。
治療:薬剤を減らすことが必要ですが、その際は一時的に頭痛がひどくなることもあります。具体的な治療については専門医に相談してください。
医療法人かけはし会
脳神経内科 くすのき診療所
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